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中医学外来 会員病院のご案内

あおぞら動物医院

「治る」ってどういうことか?それが大事。
普通に立って歩いて、食事もそこそこ摂れているような動物(もちろんヒトも含みます)なら、大抵のトラブルは自力で解決されてしまうもの。日常会話においては、これを指して自然治癒と表現されるのが一般的でしょう。

例えば、ちょっとした擦り傷・切り傷が、患部を洗ってきれいに保つぐらいの手当てで、特別の処置をせずとも治ってしまうことは誰しも経験済みです。つまり、治るというのは、動物自身が自分の体の仕組みを使って破綻部位を修復し、元の機能を取り戻してしまうこと。たとえ擦り傷に化膿止めの外用軟膏を塗ったとしても、その軟膏が物質として擦り剥けた表皮の代わりになったり、そこに在り続けることが「治癒」ではないと、当たり前のこととして認識されているのです。

ところが、咳が出た、下痢をした、血尿が出た、発熱したといった、病気らしい病気の症状に見舞われると、途端に上述した「治癒」の概念が自明ではなくなってしまう感覚というか気分のようなものも、ごく普通にしばしば経験されるのはなぜでしょうか。

色々な切り口での説明が可能でしょう。しかし、ここで特に指摘しておきたい原因としては、上述した「治るのは体が自分で治ること。体は体自体が持つ仕組みでしか治りようがない」という真実を前提にせず、医者が治す、医療技術が治す、薬が治す・・・的なものの言い方を当然視して慣用してきた西洋医学的な「フィクション」の影響があげられます。

忙しいお医者さんの時間的な都合もあってのことでしょうか。話を単純化して面倒な説明を省略できる便利さからでしょうか。はたまた説明を聞かされる側が自分の頭を使ってそれを理解する「しんどい作業」自体を省略できるからでしょうか。西洋医学一辺倒の医者の口から出てくる言葉は、「医学は進歩した」とか「医学は病気を治せる」的な底の浅い説明に偏りがちです。深遠なる生体の仕組みというスケールの大きさに比して、この百年ほどの医学や生理学の進歩などというものは、残念ながら一般の方が期待しているほど大したものではありません。

身近な例としては、がんの「治療」を見れば明らかです。西洋医学が治療だといっているのは、「切り取ったり、毒を盛ったり、焼き殺したりして、がんの塊を無かったかのように見せる」だけで、そこに至った原因や条件はすべて棚上げして未解決のままです。これは上述した「治癒」の定義とはまったく馴染まない欺瞞です。

ではどうしたらよいか? 答えは一つじゃないのでしょうけれど、私が考える一つの回答としては、医者が出来ることは「生体が自力で治るのを後方支援できないかを考える」ことぐらいのものだという理解というか諦観を、謙虚に引き受けることかもなぁという気がします。そこには当然、自力で治るのを邪魔していないかという視座や、その過程での苦痛を軽減できないかといった問題意識、さらには(当座は一旦解決したとしても)後日また同じ問題を抱えることになるような環境の問題は取り除かれたのだろうかといった考察までが、全て含まれます。

治るのは生体が勝手に治るのであって、医者や薬が直接治すわけではない。くどいようですが、これが大事なポイント。ここから考え始める「治療」において心強い武器となるのが漢方であり、中医学的な生体観でしょう。途方もない数の経験則を整理して体系化した中医学の理論は、基本的に「占い」のテクニックとも通底する知の集合体ですから、そこかしこにこじつけや単純化も見受けられます。しかし、効率よく、高い勝算をもって治療に当たれるのなら、その裏付けが占いだろうとまじないだろうと漢方薬だろうと、何でもいいじゃないかというのが、私の正直な思いです。使えるものは何でも使う。それを必要としている、ぜひ使ってみたいと願う需要がある限り、かかわる医者はなるべく多くの選択肢を示し、依頼者の自己決定欲に応えるべきだと、そんな思いで診療に当たっています。

そういうのもアリかな・・・そうお感じなりましたらご相談下さい。お役に立てるかと存じます。
治療方針
上述したとおりです。全てお任せ、というのも選択可能ではあります。

しかし、「飼い主」がペットに与える影響に関する新しい知見の多くは、従来考えられていたものよりも直接的かつ大きなインパクトを持っているらしいことを示していますので、オーナーさんには、単に物言わぬペットの代理人としてだけではなく、病気の成り立ちや治癒への道のりそのものについても「当事者」として主体的に関わって頂いたほうが、より早く期待される健やかな状態に到達できる公算が大きいのではないかと考えられます。

したがって、病気のペットに関するオーナーさんの理解が深まるような説明を常に心がけ、そのことが負担になって動物の治療にまつわる辛さが倍増するというような場合を除き、オーナーさんが悔いのない自己決定を積み重ねられるよう支援して参りたいと考えております。
院長プロフィール

仙台市出身。宮崎大学農学部を卒業後、都内葛飾区で研修医時代を過ごし、2002年4月宮城県岩沼市にあおぞら動物医院を開設。2007年9月現在地に移転。

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住所:〒989-2459
宮城県岩沼市たけくま1-18-9
TEL:0223-24-0672
休診日:木曜日・祝日
診療時間
月・火・水・土 9:00~11:00 15:30~17:00
金曜日 15:30~17:00
日曜日  9:00~11:00
ホームページ
http://www.aozora-vc.com