ペットとわたしの
中医学体験談

中医学体験談 No.09

〈CASE:消化管鬱滞・肝不全〉
もう二度と、あんな目に
遭わせたくないんです!

モコちゃん/
ホーランドロップ♂(1歳6カ月)&
Tさん(神奈川県横浜市)

中医学体験談No.09 消化管鬱滞・肝不全 中医学体験談No.09 消化管鬱滞・肝不全

症状

食欲がなくなり、
動けなくなって…。

12月29日。家の中でサークルから出して、私と主人は大掃除をしていました。ふと見たらモコの様子が何だか変で、グッタリしています。窓の隙間用テープを食べてしまったようなのです。お昼の大好きな野菜も食べようとせず、そのうちぜんぜん動かなくなって、ギィギィと歯ぎしりしだして…。慌てて病院へ連れて行きました。レントゲンを撮ってみると、胃の中には固まりがあって…。耳まで冷たくなっていて、先生にはショック状態だと言われました。異物を食べたことで消化管が詰まってしまったのが原因です。

中医学体験談No.09 消化管鬱滞・肝不全 中医学体験談No.09 消化管鬱滞・肝不全

服用後

ウンチが増えるのが、
毎日の喜び。

本来は手術で取り除くのだそうですが、モコは血が止まりにくい体質で、お腹を切るのは危ないと。注射と点滴とマッサージをしてもらって、翌日からは処方していただいた漢方を流動食にまぜて与えました。ペレットや牧草は見向きもしないので、流動食だけが頼り。一度、症状がぶり返したときには覚悟もしました。その後は毎日少しずつウンチの量が増えていくことが喜びでした。ようやく元気を取り戻して普通に食べるようになったのは2カ月後です。もう二度とあんな目に遭わせたくないので、この子の様子や行動を細かく観察するようにしています。

『ペットとわたしの中医学体験談⑨』 JPCM「日本ペット中医学研究会」

獣医師が解説

田村 裕美先生

手術できない体質なので、
内科治療で
取り留めました。

神奈川県川崎市 わたりだ動物病院

Yumi Tamura

目が虚ろで体温が低く、お腹もパンパンに張っていました。かなり危ない状況でしたが、血が止まりにくい体質なので手術は避けたいと考えました。テープについていた糊を大量に食べてしまったために、消化管の鬱滞(うったい)や肝不全を起こしていましたので、消化管の働きの改善と肝臓の保護を目的として、西洋医学的な処方に加えて中医学サプリを出しました。長丁場を予想していましたが、思った以上に早く元気になってくれましたね。ウサギは、きちんと育てれば12~13年以上生きます。習性や体質に合わせた育て方や毎日の食事が大切。中医学で言う養生ですね。治療ももちろん大事ですが、予防にも力を入れたいので、特に小さい動物に関しては時間をかけて育て方の話をするように心がけています。

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